産廃?リサイクル?事業者がパソコンを処分する方法
2017年12月29日 | コラム
事業者がパソコンを処分する方法
家電リサイクル法の登場により、それ以前とパソコン処分の方法が変わりました。廃棄する際にはリサイクルできる処分法を優先する必要があります。
ただし、事業者がパソコンを廃棄する場合においては産廃として処理しても問題ありません。
産廃としてパソコンを処分するか、家電リサイクル法に則ってメーカーに引き取ってもらうのか。それぞれのメリットデメリット等を紹介します。
パソコン販売メーカーによるパソコンリサイクル
3Rの理念に基づき、家電など再資源化できるものをリサイクルするためのリサイクル法が制定されています。パソコンも再資源化できる廃棄物の1つで、パソコン販売メーカーには販売したパソコンを回収し、再資源化することが義務付けられています。
『PCリサイクルマークが付いているパソコンは無料でリサイクルできる』と言われていますが、これは家庭から廃棄されるパソコンに限った話です。事業者がパソコンを廃棄する場合、PCリサイクルマークが付いていても回収再資源化料金が掛かります。
回収再資源化料金はパソコンメーカーによって異なるため、問い合わせなければいけません。中には無償で引き取りを行なっているパソコンメーカーもあります。
産廃としてパソコン処分をすれば手間が掛からない
産廃マニフェストを提出して、他の産廃と一緒に産廃として処理する方法です。処理するためのコストは基本的に他の産廃と同じになっています。
家庭から廃棄されるパソコンは廃棄物として処分することはできませんが、事業者が産廃としてパソコンを処分することは法律で認められています。
産廃としてパソコンを処分するメリットは、完全に処分されるため、データが確実に残らないという点です。他人の手に渡って復元される可能性がほぼありません。
絶対に漏洩してはならないデータを保持していたパソコンであれば、産廃として処理した方がいいかもしれません。また、他の産廃と同様に処理ができるため、パソコン処分のためだけに手間を割く必要がなくなります。
パソコンの無償引き取りを行う無許可回収業者
パソコンの処分にコストを掛けたくない。けれど、パソコンをリサイクルに出して万が一データが漏洩してしまったら・・・そんな風に悩む産廃排出事業者の悩みに漬け込む『無許可回収業者』が横行しています。
>『無許可回収業者』についてはこちらの記事を参照してください。
無許可回収業者は違法です。産廃を適切に処理することなく、不法投棄など違法な手段を用います。
自ら不法投棄していなくても、無許可回収業者が不法投棄をすれば、引き渡した産廃排出事業者も責任に問われることになります。しかも、適切な処理が施されないということは、データが確実に消去されないままどこかに廃棄されてしまっているということです。
事業系パソコンの不法投棄が増加している
上記のような無許可回収業者が横行していることもあり、年々、パソコンの不法投棄が増加しています。
パソコンは他の家電と比較すると、短いスパンで廃棄する必要があるため、できるだけコストを掛けずに処分したいと考える事業者は多いようです。
パソコンの処分にどうしてもコストを掛けたくないのであれば、データを自己責任でしっかりと消去してから中古パソコンとして引き渡すという手段もあります。無料の回収業者を利用する場合、違法業者でないかどうかをしっかりと調査してから利用してください。
パソコンリサイクルショップに引き取ってもらう時の注意点
ほとんどの場合、パソコンはリサイクルショップで買い取ってもらえます。パソコンがまだ使用可能であればそのまま再販売される形で買い取られますし、そうでない場合でも解体してジャンク品として利用するために買い取ってもらえます。
PCリサイクルマークがついていないパソコンの場合、パソコンリサイクル法に則って処分をしようと、産廃として処分しようと、どちらにしてもコストが掛かります。どうしてもパソコンの処分にコストを掛けたくないという場合は、リサイクルショップを利用するという手段もあります。
コストが掛からないどころか利益になるかもしれないということから、リサイクルを選択する排出事業者は非常に多いようです。しかし、事業系パソコンを再販売されるショップに引き渡す際には注意が必要です。
パソコンのデータは消しても復旧される恐れがある!
パソコンのデータは削除しても復元されてしまうことが危惧されます。事業で使用していたパソコンには、企業秘密であるデータが残っている場合があり、それを復元されてしまうことによってトラブルになる可能性はゼロではありません。
『工場出荷状態』に戻したとしても、ハードディスク内にデータが復元できる状態で残存している可能性があり、確実とは言えません。パソコンのデータを絶対に復元できないように削除するには、専用ソフトや専用装置を用いてデータを削除するか、もしくはハードディスクを仏意的に破壊する必要があります。
「物理的に破壊」というと自分でも簡単にできそうな気がするかもしれません。しかし、ハードディスクをコーティングしているガラスなどの破片で怪我をする恐れがあります。業者に任せた方が安全です。
漏洩して困るデータを保存していたパソコンは、安易に最寄りのリサイクルショップに引き渡さない方がいいでしょう。事業系パソコンのリサイクルリサイクルを行なっている業者に引き渡すようにしましょう。事業系パソコンのリサイクルについては『一般社団法人 パソコン3R推進協会』のサイトをご参照ください。
家電リサイクル法も産廃マニフェストも環境問題対策
家電リサイクル法が施行されてから家電を廃棄するにも悩むようになりました。しかしこうした法律が整備されていく背景には、産廃など廃棄物が環境汚染に繋がっているという事実があります。
家電リサイクル法以外にも産廃マニフェストなど、環境汚染や不法投棄を対策するためにあらゆる手段が講じられています。水俣病のような公害病が発生しないのは、こうした廃棄物関連の法整備のたまものです。
どうしても目の前の手間やコストに気を取られてしまいがちですが、将来を見据えると、しっかりとリサイクルした方が賢明です。適正な処理を心がけましょう。
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