リサイクル偽装とは。産廃不法投棄の実態

2018年02月06日 |

リサイクル偽装とは、廃棄物は最終処分場に埋め立てるなど適正に処分することが決まっているのにリサイクル製品を装って処理費を浮かし、廃棄物処理法の適用を不正に免れることです。

リサイクル偽装は、最近出始めた現象ではなく、豊島不法投棄事件のような、過去の大規模不法投棄事件でも、実態は不法投棄であるにもかかわらず、「産業廃棄物の処理ではなく、リサイクルなのだ」という理屈の根拠として使われていました。

リサイクル偽装の本質は、リサイクルの体を装い、廃棄物を不法に処理することです。

多くの場合、リサイクル偽装の当事者は、大っぴらに「土に埋めます」といえないので、土壌改良材や埋め戻しなどと称し、実態は産業廃棄物のリサイクル品をどうにかして土に埋めてしまおうと画策します。

形式こそ売買を装っていますが、その実態は、産業廃棄物の違法処理であり、不法投棄でもあります。

一般的には、当事者の間で、「これは廃棄物ではなく、価値のあるものだ」と認識された段階から、その物は廃棄物処理法の適用から外れ、廃棄物ではなくなってしまいます。

その結果、産業廃棄物の処理基準も該当しなくなり、「リサイクル品をどう扱おうと、購入者の勝手」ということになります。

しかし、それは、当事者が「これは価値あるものだ」と本当に認識している場合だけで、どちらか一方が「やはり廃棄物としかいえないな」と思っている場合は、廃棄物として、処理基準に基づき処理をしなければなりません。

リサイクル偽装のばあいは、「これは価値のあるものだ」というのは表向きだけで、「これは廃棄物としかいえないな」というのが当事者の本音です。

そうなると、そのリサイクル製品は、廃棄物として適切に処理しなくてはならないのですが、通常リサイクル品の購入者は無許可業者であることがほとんどですので、偽リサイクル製品の販売社は、委託基準にも違反することにもなります。

このように、リサイクル偽装は産業廃棄物処理法の規定を骨抜きにする悪質な遺法行為です。

リサイクル偽装の実態は不法投棄ですので、リサイクル偽装に関与していたことが発覚した場合、社会から厳しく非難されるのは必至です。

【不法投棄の実態】

不法投棄は、水質汚染や土壌汚染などの環境面での影響はもちろん、原状回復費用などの経済的損失をもたらすほか、周辺地域のコミュニティも破損するなど、社会的な影響がきわめて大きい犯罪です。

また不法投棄される産業廃棄物の量、不法投棄実行者の正体、不法投棄を行う動機、過去の大規模な不法投棄事件など、不法投棄の実態を見ていきましょう。

【不法投棄の現状はどうなっているか】

産業廃棄物の不法投棄の件数と、不法投棄によって捨てられた廃棄物の量は、減少傾向にあります。

不法投棄事件が減少した原因は、不法投棄の厳罰化、マニフェストの義務化、行政の不法投棄対策の強化などが考えられます。

※産業廃棄物の不法投棄量の推移

産業廃棄物の不法投棄件数と総量の推移(環境省)

  H27年度 H26年度 H25年度 H24年度 H23年度
不法投棄件数 143件 165件 159件 187件 192件
総量 16.6万トン 2.9万トン 2.9万トン 4.4万トン 5.3万トン

※不法投棄が減少した背景

間違いなく、不法投棄の件数も重量も減少していますが、撲滅のための更なる行動を起こす必要があります。

肝心なのは行政と事業者と国民の三位一体で情報を共有し、不法投棄の未然防止に努めることです。

過去から見て、減少した理由は下記のとおりです。

①廃棄物の減量化

3R(再生利用リサイクル・再使用リユース・排出規制リデュース)の推進で循環型

社会を創造することで廃棄物全体の量が減った。

②処分場の増設及び整備拡張

行政指導の下、中間処理・最終処分場の施設の増設及び整備拡張により、産業廃棄物の破砕、圧縮などの技術による減容化、収集運搬の効率化及び迅速化が進んだ

③コンプライアンス(法例順守)

産業廃棄物処理業者のみならず、排出事業者への責任問題も大きくなり、且、罰則の強化により、違反件数は減っている。

④製造者責任

製造者は安全上の製造責任があるが、その他、製品の使用後に廃棄物にならない製品作り、たとえば生分解製品、有害物の不混入等の製造技術の発達も貢献しています。

以上の様な事が考えられますが、最も大切なのは官民一体となって、不法投棄の社会に与える影響(大気汚染・土壌汚染・水質汚染・崩落・火災等)を認識し、不法投棄を撲滅させる風潮を創り上げることでしょう。


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