【食品リサイクル ①】2030年までに食品ロス半減を目標に

2019年03月29日 |

食品リサイクル法の基本方針見直し

環境を守るために食品メーカーや、小売店、レストランなどが、できるだけ食品廃棄物を出さないように努力すること、出てしまった食品廃棄物は飼料や肥料等にリサイクルして、循環型社会を目指そうと定められた法律が食品リサイクル法です。

正式名称は「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」で 平成12年に制定され平成13年5月1日より施行されました。

消費者にも無駄な廃棄を減らすことや、リサイクルに努める事業者への協力を求めています。

食品リサイクル法では、発生抑制やリサイクルに関する方向性や目標に関する基本方針の策定を行うこととされています。現在審議会で議論が行われており、食品リサイクル制度のあり方に関する方向性がとりまとめられました。

2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」においては、食料の損失、廃棄の削減について目標設定されており、食品ロスの削減、食品リサイクルの推進、環境と関わりの深いゴールの達成を通じて、経済・社会の諸課題の同時解決につなげることが重要となります。

2030年度を目標に2000年度の半減に

平成31年2月7日には、中央環境審議会循環型社会部会食品リサイクル専門委員会及び食料・農業・農村政策審議会食料産業部会食品リサイクル小委員会の合同会合で事業系食品ロス削減に向けた目標について基本方針見直しの議論が行われました。

その他の内容は以下の通りです。

食品循環資源の再生利用等の促進の基本的方向

・食品ロスの削減を含め食品廃棄物等の発生抑制に優先的に取り組んだ上で、食品循環資源について再生利用等を実施。

・食品循環資源については、飼料、肥料又は菌床としての利用を優先的に進め、これらに適さない場合にメタン化や熱回収により資源を有効活用。

・食品廃棄物の適正処理の徹底のため、食品関連事業者及び再生利用事業者への継続的な周知徹底・指導を実施。

食品循環資源の再生利用等を実施すべき量に関する目標

2024年度までの新たな5年間で目指す再利用など実施率

食品製造業 95%→95% 
目標を据え置いた上で、事業者においては引き続き取組を推進していくことが重要であるとして前回と同じ。

・食品卸売業  70%→75%

・食品小売業  55%→60%
 この2業種については向上傾向にあり、基準実施率の考え方を適用して目標を5%引き上げ。

・外食産業    50%→50%
目標と乖離している状況にあり、機械的に目標を引き上げるのではなく、発生抑制の取組をより促進し、多量発生事業者とそれ以外の事業者を分けて対策を講じる必要があるとして据え置きになりました。

再生利用等実施率=(発生抑制量+再生利用量+熱回収量×0.95(※)+減量量)÷(発生抑制量+発生量)(※)食品廃棄物残さ(灰分)を除いたものに相当する率

食品循環資源の再生利用等の促進のための措置に関する事項

【食品関連事業者への指導等】

国による食品関連事業者への積極的な指導・助言、市町村による多量発生事業者への減量化指導の実施。

【国民運動としての食品ロス削減運動の展開】

食品ロス削減国民運動を展開し、サプライチェーン全体での食品ロス削減の実施。

【再生利用の環境整備】

市町村による一般廃棄物処理計画への位置づけ、事業系一般廃棄物処理に係る原価相当の料金徴収 の推進。

 

国による積極的な取組み例

貴重な食料資源の有効活用

 

食品リサイクル法を所管する農林水産省では、平成31年1月11日付けで、小売業の団体に対し、「恵方巻きのシーズンを控えた食品の廃棄を削減するための対応について」を発出し貴重な食料資源の有効活用という観点を踏まえた上で、需要に見 合った販売の推進について会員企業への周知を依頼しました。

廃棄量を削減した事例として、2018年2月に兵庫県内で8店舗を展開するスーパーでは、海産資源を大切にする気持ちから、恵方巻きなどを 広告した折込チラシに「もうやめにしよう」というメッセージと共 に、「今年は全店、昨年実績で作ります」、「欠品の場合はご容赦 くださいませ」という文章を添えて発信。昨年実績より多く作るという商慣習に対し、あえて売り方の見直しを行い、事前にお客様に向けてお知らせしました。 その結果、兵庫県内8店舗中5店舗で完売。前年に比べ、廃棄量は減少しました。

いわゆる食品ロスを削減するため生まれたフードバンク活動

また同省では、食品ロス削減を図る一つの手段としてフードバンク活動を支援しています。

食品企業の製造工程で発生する規格外品などを引き取り、福祉施設等へ無料で提供する「フードバンク」と呼ばれる団体・活動があります。まだ食べられるにもかかわらず廃棄されてしまう食品(いわゆる食品ロス)を削減するため、こうした取り組みを有効に活用していくことも必要であるとしています。

 

各フードバンクの紹介

(引用:農林水産省ホームページ)

 

 


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