【食品リサイクル ②】 廃食用油からチェーンソー燃料
2019年03月29日 | トピックス
時代は鉱物から植物へ
科学・技術の進歩はめざましい。特に日本は省エネ・エコの分野では先進国である。
廃食用油を原料とし、環境に配慮した、しかも粘性が高い(糸引き性能がよい)バイオオイルが販売される。石油系ではなく、廃食用油の再活用であるので、環境にやさしい。
中部に本拠を構えるエコバイオ系の会社が生分解性潤滑油「バイオ・オイルシリーズ」の本格販売に乗り出したのである。同社は、2018年8月にはエコマーク認証を取得している。
今回の発売はチェーンソー向けの「バイオ・チェーンソー」、不水溶性切削油「バイオ・カット」多目的オイル「バイオ・オールマイティ」の3種である。「鉱物油以上に温度変化に強く、安全性にも高い」とする。
価格は18リットル缶で8,100円で、これが高いのか安いのかは意見の分かれるところだろうが、環境にやさしいのは間違いない。これが本格的に売りに出される。当然、JIS規格をクリアし、エコマークの認定も受けている。
同社の主力製品は森林組合などに納入実績があるバイオ・チェーンソーで、粘度が高くオイルが飛び散りにくく、飛び散っても元は食用油であるので、環境的にも問題が少ない。
働き手の少ない林業の強力な助っ人
今後は農機のコンバイン用のオイルとしての適性も高め、農機メーカーと連携を強化するとともに、「林業労働力の確保促進に関する法律」に規定される認定林業事業体への拡販を目指している。
循環系・再利用系の事業を展開する上でのネックは、廃棄物(廃油や廃プラスチック)をどう回収するかである。同社は中部に位置する飲食店などから1か月当たり25キロリットルの廃食用油を回収し、隣接する工場において精製設備で「バイオ・オイルシリーズ」を生産している(処理能力は日量1キロリットル)。
こういった循環系のバイオオイルの生産は、石油がほとんど出ない我が国においては、明らかに朗報である。当然のことであるが、事業展開を図るには鉱物性のオイルとの競合に打ち勝つ必要がある。
同社の全国的な事業展開を期待する。
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