二国間クレジット制度(JCM)の更なる推進に向け、日本とJCMパートナー国の企業同士をつなぐマッチメイキング・プラットフォーム(JCMグローバル・マッチ)の運用開始。

2019年08月16日 |

環境省は途上国において、優れた低炭素・脱炭素技術を活用して温室効果ガスを削減するとともに、我が国の貢献に応じてクレジットの獲得を目指す二国間クレジット制度(JCM)の更なる推進に向けて、日本とJCMパートナー国の企業同士をつなぐマッチメイキング・プラットフォーム「JCM Global Match」(JCMグローバル・マッチ)の運用を令和元年7月19日(金)より開始しました。
本プラットフォームは、優れた低炭素・脱炭素技術を有する日本企業と、技術導入を希望するJCMパートナー国の企業を、事前の登録情報に基づき自動的にマッチングし、JCM事業としての成立を支援します。

JCM Global Match」のサービス概要と特徴

 二国間クレジット制度(JCM)のプロジェクトを形成するためには、優れた低炭素・脱炭素技術を有する日本企業と、それらの技術導入を希望するJCMパートナー国の企業のニーズが合致する必要があります。これらの企業同士をつなぎ、プロジェクト形成に向けた話し合いを進める場として「JCM Global Match」(JCMグローバル・マッチ)を開発しました。

 本プラットフォームの概要と特徴は、以下の通りです。

  • ボーダレス、即時、24時間・365日、ビジネス・パートナーの発掘を可能にします。
  • 優れた低炭素・脱炭素技術の「セラー(売り手)」と「バイヤー(買い手)」は、本プラットフォームに登録すると希望に応じた企業の情報が即座に得られます。本プラットフォームは、JCMにおいて、企業同士を事前の登録情報に基づき自動的にマッチングさせる初めての取り組みです。
  • 海外で開催されるJCMセミナーでの商談会の予約ができます。条件がマッチした企業と事前にコミュニケーションを開始しておくことで、現地でより具体的な商談が可能になります。
  • 金融機関やコンサルタント等も参加が可能となっており、案件実現に関わるあらゆる企業のコミュニケーションが自発的に生まれるマッチメイキング・プラットフォームの役割を目指します。

JCMの基本概念

  • JCMは、途上国への温室効果ガス削減技術、製品、システム、サービス、インフラ等の普及や対策を通じ、実現した温室効果ガス排出削減・吸収への日本の貢献を定量的に評価するとともに、日本の削減目標の達成に活用するものです。
  •  これまでに以下17か国との間でJCMを開始するための二国間文書に署名しており(2019年6月時点)、現在、他の途上国についても、様々な場を活用して協議を行っています。JCMのパートナー国は、モンゴル、バングラデシュ、エチオピア、ケニア、モルディブ、ベトナム、ラオス、インドネシア、コスタリカ、パラオ、カンボジア、メキシコ、サウジアラビア、チリ、ミャンマー、タイおよびフィリピンの17か国です。
  •  JCMによって、毎年度の予算の範囲内で行う日本政府の事業により、2030年度までの累積で5,000万から1億t-CO2の国際的な排出削減・吸収量を見込んでいます。

 温暖化対策に役立つ「クレジット」とは?

温暖化を防ぐために必要なのは、CO2など温室効果ガスの排出をできるだけ少なくすることです。そのためには、温室効果ガスをあまり排出しない(低炭素、低排出)技術や、温室効果ガスを吸収する取り組みを広げることが求められます。省エネ製品の利用や、再生可能エネルギーの導入、森林を育ててCO2を吸収することなどが考えられるでしょう。

このような温室効果ガスの削減量や吸収量に応じて発行され、他の企業や国と取引することを可能にするのが「クレジット」です。温暖化対策の国際的な枠組み「京都議定書」では、「クリーン開発メカニズム(CDM)」というクレジット発行のしくみが作られました。

これは、先進国が途上国に技術や資金を提供して温室効果ガス削減プロジェクトなどをおこない、それによって得られた削減分を、先進国が「クレジット」として自国の削減目標達成にカウントできるというしくみです。

「クレジット」が必要なワケ

なぜ、このようなしくみが作られたのでしょうか。

たとえば開発途上国にとって、先進的な低炭素技術の多くはコストが高く、投資がきちんと回収できるのか見込みが立てにくい場合があります。

そんな時に、先進国から資金や技術を提供してもらって排出削減プロジェクトに取り組み、成果をクレジットとして先進国に渡します。こうすれば、途上国は自国だけでは実施が難しかったプロジェクトに取り組むことができ、先進国はクレジットで自国の削減目標をおぎなうことが可能になるのです。

 

 

   (出典:環境省 ・経済産業省ウェブサイト)


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