【京都市 製紙工場で企業のゴミ減量講座】
2019年04月24日 | トピックス
議定書発効の地として地球温暖化防止に特に力を入れている京都市のある市民・事業者・行政の3者の協働からなる【ごみ減量取組組織団体】が、このたび企業に向けたゴミ減量実施実践講座を開催、滋賀県大津市の紙リサイクル企業で排出事業者を中心とした工場見学が行われた。
主として段ボールの表面に使われる板紙を製造するその工場では原料の90%以上を国内の古紙でまかなっている。1日に使用する古紙の量は約700t(大型トラックで約55台分に相当)。
紙の分別,リサイクルは広まってきたが,まだまだ焼却されている紙が多い。なるべく紙を燃やさず有効に活用するには、また,リサイクルに向かない紙はどのような悪影響があるのか、職場や日常でどのような紙を選ぶ必要があるのかなど、古紙の定義や種類、雑紙についてや古紙の利用状況などの説明を受けた。工場では、機密文書処理工程やパルパー、抄紙工程、巻取り工程などを見学。
同講座は,企業のごみ減量や環境対策を主なテーマに多彩な顔ぶれの講師を招いて,廃棄物に関連する最新情報や取組事例,廃棄物処理現場の見学会等を開催。今年度は全5回実施されている。今回は一般廃棄物や事業系廃棄物の中でいまだ多くが焼却されている古紙類のリサイクルをテーマとした。
板紙(いたがみ)って何?
「厚い紙」が板紙であり、ボール紙とも言う。「厚い紙」とは、一般的に坪量(米坪)が大きい紙のこと。ここで坪量とは、「つぼりょう」と呼び、紙・板紙の基準となる重さを表し、単位面積あたりの質量を表す。すなわち紙の面積と質量を測定し、単位面積あたりに換算して、単位はg/m2で表記する。紙・板紙の坪量範囲は幅広く、薄葉紙のほぼ10g/m2から板紙の 850~900g/m2くらいまであり、通常坪量の大きい紙は「厚い」、「重い」、「腰のある(強い)」、「硬い」紙であり、反対に小さい紙は「薄い」、「軽い」、「腰のない(弱い)」、「柔らかい」紙という。
雑紙(ざつがみ)って何?
「雑紙」とは、新聞・雑誌・段ボール・紙パック以外の資源化が可能な紙類のことで、色々な紙があるが、それらをまとめて「雑紙」という。お菓子の箱やトイレットペーパーの芯、封筒などは、普段なにげなく可燃ごみとして捨てがちだが、家庭でのちょっとした工夫で資源物に変えることが出来る。
リサイクルに向かない紙は?
紙の中には、再び紙にリサイクルできない「禁忌品(きんきひん)」と呼ばれるものがある。これらが資源物に混入すると、リサイクル工場において、品質の低下、機械の故障の原因となる。防水加工をした紙や薬品使用の紙は再生処理の過程で、色むらやシミ等の原因になるため、以下のようなものはリサイクルに適さない。
紙(又は紙のようなもの)であっても,古紙再生に不適なもの
- カーボン紙(裏カーボン紙)
- トレーシングペーパー
- ワックス加工紙,感熱発泡紙
- 合成紙(例:屋外用ポスター,山岳地図)
- ラミネート加工された紙
- 写真
企業から出る雑紙や機密文書の処理など焼却されている紙類はまだまだ多い。私たちが使用する商品や製品は,もとはみな地球の貴重な資源やエネルギーで作られたものである。リサイクルはもとより、商品や製品をできるだけ長持ちさせたり、あるいは修理したりして地球への環境負荷を減らすことがこれからの21世紀後半に向けての持続可能な社会へ向かうための非常に重要なポイントであろう。
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