ゴミ屋敷の社会問題化。実家の片付けに産廃業者を呼ぶ時代の到来

2017年10月13日 |

実家がゴミ屋敷になって悩む子世代の増加

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実家、隣近所、一緒に住んでいる家族の部屋・・・あらゆる場所でゴミ屋敷が深刻な社会問題化しています。

中でも実家のゴミ屋敷化に悩む子世代が大変多く、ゴミ屋敷の片付けを請け負う業者、生前整理や遺品整理の業者が増加しています。

国土交通省が平成21年に行なった全国を対象とした調査では、日本全国およそ3200市区町村のうち、250市区町村でゴミ屋敷が確認されたとのことです。

1.親子間のコミュニケーション不足で実家がゴミ屋敷化する

上述の通り、実家のゴミ屋敷化で悩む子世代が増えています。実家がゴミ屋敷化する一因として、核家族化の影響があると考えられています。

一度家庭を築いた子は、実家の親とのコミュニケーションがどんどん希薄になっていきます。盆正月に帰省すれば親孝行だと言われるほどです。

コミュニケーションが不足することによって親は孤独感を強く感じるようになります。そして孤独感を埋めるために周りに物を置くようになります。

要らない物でも捨てずに置いておくようになったり、物の収集に没頭してしまったりといった具合です。1人で多量の物を管理することができなくなり、最終的にゴミ屋敷になってしまいます。

物を捨てられない高齢者が多いという説もあり

実家がゴミ屋敷になる要因は孤独だけではありません。現在の高齢者には元から物を捨てられない性格の方が多いと言われています。

戦前・戦中・戦後を経験している今の高齢者にとって、物に囲まれるということは豊かさの象徴なのです。あらゆる物が安価に手に入ってしまう現代では、その性格がゴミ屋敷を生み出す原因となってしまっています。

こうした人に物を捨てろと言ってもなかなか聞き入れてもらうことができず、結果、ゴミ屋敷化の一途を辿ってしまうのです。

実家をゴミ屋敷になりそうなのを食い止めるには

実家をゴミ屋敷にしないために重要なのは「実家に住む親に孤独感を与えない」ということです。優しく密にコミュニケーションを取り、孤独感を緩和してあげることが問題の抑止と解決に繋がります。

実家がゴミ屋敷になってしまわないかが心配で、実家の親に対して頭ごなしに片付けろと言ってしまう方もいますが、それは逆効果です。

セルフネグレクトに陥り、ゴミ屋敷化が進んでしまうかもしれません。まずは片付けるためのコミュニケーションを取るところから始めてみてください。

2.精神的な問題によるゴミ屋敷化

現代社会のゴミ屋敷が増加するもう1つの要因として、精神的な問題が挙げられます。『強迫性障害』や『セルフネグレクト』が代表的な問題と言われています。

強迫性障害とセルフネグレクトがなぜゴミ屋敷増加の一因となるのか、解説いたします。

セルフネグレクトによる片付けや掃除の放棄によるゴミ屋敷化

セルフネグレクトとは、健康的に生活していくために必要な行動を行わず、他人にも助けを求めない状態のことを指します。

必要最低限の掃除や片付けも行なわず、人の話に耳を貸さなくなり、どんどん部屋が荒れていきます。その最終形態がゴミ屋敷です。

実家がゴミ屋敷化する原因の1つとして、親子のコミュニケーション不足で親がセルフネグレクトに陥ってしまったということがしばしばあるようです。

コミュニケーションを長期間取らないでいることで、面倒なことだと思うようになってしまうのです。

もともと社会から孤立した高齢者にセルフネグレクトが多いとされていましたが、最近では対人関係を嫌う若者がセルフネグレクトに陥る例もよく見られます。

強迫性障害による物のため込みによるゴミ屋敷化

何度も鍵がかかっているかどうかを確認せずにはいられなかったり、何度洗っても手洗いがやめられなかったり・・・

行為に意味がないとわかっていながらそれをしないといてもたってもいられなくなるのが『強迫性障害』です。

強迫性障害の方は「汚いゴミに触りたくなくて掃除ができない」「捨ててしまうと二度と手に入らず、生活に困るのではないか」といった強迫的な心理状態に陥ってしまいやすいのです。

こうした心理状態に陥った強迫性障害の方の自宅がゴミ屋敷化してしまうのです。潔癖症だった人の家がゴミ屋敷化してしまう真相は、強迫性障害によるものが多いのでしょう。

産廃処理業者によるゴミ屋敷片付けサービス?

『ゴミ屋敷の片付け』についてインターネット検索をすると、ゴミ屋敷片付けサービス業者のサイトがたくさんヒットします。

ゴミ屋敷片付けサービス業者の中には、『産廃処理』と記載されているところもあり、「なぜ産廃処理業者がゴミ屋敷の片付けサービスを?」と思われた方もいるでしょう。

ここからはその真相についてお話しをいたします。

産廃と一般廃棄物、両方の許可を持っている業者

ゴミ屋敷の片付けサービスを行なっている廃棄物処理業者は、産廃だけでなく一般廃棄物処理の許可証も持っています。『個人(一般廃棄物)』であろうと『企業(産廃)』であろうと対応できる業者が、こうしたゴミ屋敷の片付けサービスを行なっているのです。

こうした業者は産廃のような大量のゴミが収集・運搬できるだけの道具やシステムを持っているので、大量の廃棄物の収集・運搬に長けています。そのため、ゴミ屋敷のような莫大な量のゴミの片付けも引き受けることができるのです。

廃棄物処理業者のゴミ屋敷の片付けサービスを利用した方が安心な理由

廃棄物処理業者が行なっているゴミ屋敷の片付けサービスは、確実に廃棄物を処理してくれるという保証があります。

ゴミ屋敷の片付けサービスを行なっている業者の中には、一般廃棄物処理の許可を持っていないところもあります。もちろん、廃棄物の処理を他社に依頼するのであれば問題ありません。

しかしほとんどの無許可業者は、不法投棄や不適切処理を行なっているのです。

中には『産廃処理業の許可』や『古物商の許可』を提示し、許可証を持っているように振る舞う業者もあります。個人宅から出た廃棄物の処理をするために必要な許可は『一般廃棄物処理の許可』です。

この問題は環境省も注目しており、このような注意勧告が公式になされています。

>>「無許可」の回収業者を利用しないでください!(環境省のサイトへ飛びます)

廃棄物処理業者にしろ、掃除業者にしろ、ゴミ屋敷の片付けサービスを利用する際は『一般廃棄物処理の許可』の提示を求め、無い場合は処理の方法を確認するようにしましょう。

ゴミ屋敷が社会問題化している真相

実家がゴミ屋敷化するという理由が近年ゴミ屋敷化問題視されている最もたる理由です。とは言っても、これまでゴミ屋敷が社会問題として取り扱われてこなかった訳ではありません。

個人宅である住宅がゴミ屋敷化することがなぜ社会問題として扱われる理由として、『周辺被害問題』と『孤立死問題』が挙げられます。

1.ゴミ屋敷の周辺被害問題

ゴミ屋敷はその家だけでなく、周辺の住宅にも被害を及ぼします。周辺被害の代表例として、火災の危険性の増加・菌や害虫の繁殖による健康被害・湿気や汚れなどの影響による住宅の劣化が挙げられます。

こうした周辺被害がある場合に於いても、ゴミ屋敷の家主以外がゴミ屋敷を片付けることは許されません。周辺住民はただ被害に耐えるしかないのです。

ゴミ屋敷の周辺被害をきっかけにしてご近所トラブルが発生し、そこから事件に発展するといったこともあります。

2.ゴミ屋敷住人の『孤立死』問題

もう1つの問題として、孤立死の問題が挙げられます。

孤立死は孤独死と多少意味合いが異なり、「独りで亡くなってしまい、長期間誰にも見つけてもらえない方」を指します。

高齢でゴミ屋敷に住んでいる多くの方が、この孤立死の一途を辿ります。ゴミ屋敷に住んでいる方のほとんどは、社会から孤立しているのです。

ゴミ屋敷に住んでいるから孤立したのか、孤立しているからゴミ屋敷にしてしまったのか。どちらにしても、ゴミ屋敷と社会からの孤立が密接に関係しているということには違いありません。

廃棄物の処理は健全なコミュニケーションの上に成り立つ

実家の片付けは、本来であれば家族の力で何とかすべき事です。ゴミ屋敷化する前にきちんと相談して問題を防止することが、これから重要になってくるでしょう。

とは言っても、現状でゴミ屋敷となってしまっているのであれば、無理をせず片付けサービス業者にお願いした方がいいでしょう。業者を呼ぶのが恥ずかしいという理由で問題解決を先延ばしにしていると、孤立死という最悪の自体を招きかねません。

『ゴミ(廃棄物)をきちんと処理する』ということは健全なコミュニケーションの上にのみ成り立ちます。そして健康で豊かな生活をもたらしてくれるのです。


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